自宅を中古で買う選択肢をする人はどういう人だろう。
住宅市場動向調査によると、予算的に手頃だったから。が最も高く、次いで新築に対するこだわりが無い、リフォームすれば問題が無いから。と続く。
確かに新築に住み始めた途端、建物価値が何割か落ちるというのは聞いたことがある。
となると、予算的に良いというのが、中古に住みたい最も高い理由となるだろう。
しかし、中古物件はリスクが高いイメージが強い。
ざっと上げると、
①経年でしか判明しない異常が出てくる。
②そもそも、物件数が少ない。
③売主が不誠実だと、事実を隠して販売するケースがある。
④購入時知識がないと、設備トラブルに巻き込まれる可能性が高い。
⑤図面がない場合、暗渠等の配管箇所がわからない。
以上が上げられる。
逆にメリットを上げると
①初期トラブルがない。
⇒バスタブ曲線(故障率曲線)という言葉があり、設備は全般に初期トラブルが発生し、しばらく落ち着いた後に、経年劣化が発生することで、バスタブのような曲線を描くことが由来である。
そのため、中古であれば、その初期トラブルを回避することができる。
②価格が安価となる。
⇒新築住宅は、建物や土地代といった不動産としての価格だけでなく、「広告宣伝費」「営業費」「モデルルーム運営費」といった諸経費がプラスオンされている。諸々の割り増し分は、販売価格全体の2~3割を占めるケースもある。1日でも誰かが住めば、家は中古になり、新築プレミアムもなくなる。そのため、プレミアムの「盛り」が大きいほど、激しく値下がりしてしまうという理論があるが、中古はそれがない。
また、新築プレミアムがなくとも、最初の10年で建物の価値が半値に、築20年でほぼゼロになるという法則があるので、価格は当然落ちる。
以上かと思う。
ウチの例で言うと、新築への拘りが無いので、中古物件は十分に選択肢として上げられると感じた。
そもそも、日本は海外と違い、中古物件の価値が下がるスピードが速い。
一戸建ての法的耐用年数は、木造の場合22年といわれている。
法的なので、実際の構造的な耐用年数ではないが、法律的には22年で価値が1円となってしまう。
冷静に考えると結構早い。35年ローンを組んでいた場合、半分を数年超えた段階で、価値がなくなってしまうということになる。
これが海外となると、土地よりも収益を生む建物を大事にする文化があり、築50年を超えた木造物件もきちんと売買されているようである。
しかし日本も最近風向きが変わり、中古物件も増えてきているとの話もある。
【情報収集】マイホーム価値革命-2022年、「不動産」の常識が変わる を読んで。にも記載したが、2022年生産緑地が宅地になる箇所が増えることから、物件の放出も始まっていくと思われる。
物件の絶対数が増えれば、法もそれに合わせて改正していかなければならないので、そこは今後期待できるのではないかと考えている。
リスクを回避するために、最近よく聞くのが、ホームインスペクション制度である。
中古物件で多いのは、設備トラブルに巻き込まれることであるが、専門の担当者が第三者の目線で確認してくれるため、リスクを下げることができる。
価格を調べてみると、概ね5万~10万円ほどで実施できるため、中古物件購入の際には必須かな。と考えている。
以上を振り返ると、中古物件は選択肢の一つとして考えることは可能であるが、今後に期待する部分もあったり、注意点も多いという欠点もあるため、中古に縛られることなく、ただ選択しから外すこともなく、検討を進めたいと感じた。