「不動産は賃貸と持ち家どちらが得か」よく聞く題材です。
検討①では、金銭面を含んだ状態で広く検討したが、①-1ではその金銭面を掘り下げ、損と得の分水嶺を探りたいかと思います。
当然その時々によって「賃貸の方がお得」「持ち家の方がお得」と結論が分かれているかと思います。
この手のどちらが得かという話題の結論は「想定している条件」によって変化することがほとんどです。
そのためキンケイ流の考え方で検討していきたいと考えます。
ケース①
想定条件
賃貸 | 購入 | ||
月額 | 100,000円 | 借入 | 35,000,000円 |
居住年 | 40年 | 金利 | 1% |
合計 | 48,000,000円 | 年数 | 35年 |
小計 | 41,500,000 | ||
リフォーム | 10,000,000円 | ||
合計 | 51,500,000円 |
購入の金利は元利均等返済。全期間固定金利。35年ローン。定期的にリフォームを実施する想定。
上記のケース①は、賃貸を有利に考えています。
同じ賃貸に40年住む想定ですし、引っ越し費用も考えていません。
ただ、キンケイ宅は現在84,000円/月なので、少し高めの想定です。
上記の想定だと、損得の分水嶺は43年ごろといえます。
ケース②
想定条件
≪持ち家≫
・物件価格4,000万円、売却時は1割減の3,600万円。
・ローンは4,000万円、某メガバンクの10年固定金利プラン。
・物件種別はマンション、管理費等は月額2.5万円、固定資産税は年額10万円。
≪賃貸≫
・上記4,000万円と同等のものを賃貸で住んだと想定。
・賃料15万円(※1)。
・2年ごとに更新料1か月分(※2)。
※1 都内の「オーナーチェンジ物件」の利回りを参考に、4,000万円×4.5%÷12で15万円。
※2 計算では、更新料を24カ月で割ったものを賃料月額に加算しております。
こちらのサイトを参照しました。
https://www.chuo-net.co.jp/blog/page_785.html
上記のケース②は購入が有利な条件です。
ケース①にはなかった、売却があるので、一気に有利になります。
ケース②の損得分水嶺はなんと、6年となります。
なかなか極端な比較になったかと思います。
片や、43年かかって賃貸を超えられますし、片や6年で賃貸を超えることができます。
いかに単純比較というものが、宛にならないかということがよくわかります。
本気で分水嶺を探るのであれば、売却前提か、終の住処とするのか、というところも検討しなければ、意味がないかと思いました。
また、建物をもっと安く中古という選択肢も持つのであれば、分水嶺はもっと下がるかと思います。